2013年12月30日月曜日

ドラマ「あまちゃん」に見た光(on twitter @rahumj)

あまちゃん」は,海の水に清められた海女であり,プロに毒されることのない永遠のアマチュアであり,そして,太陽の光を放つアマテラスであろう.

 その光はあまりにも目映く,その周囲から影を消し去り,人々の痛みを快癒させ,過去を清算した.その祝祭の中心にある彼女は,もはや人間ではない.アイドル=偶像であり,人々の願いと祈りの顕現である.

 視聴者は,「あまちゃん」終了後,消え失せた光を求めて,自分の周囲に彼女を探すであろうが,それは不可能である.また単なる役者にすぎない能年玲菜にそれを求めるのは,酷であろう.故に,闇の中を生きる人々は,その「光」を人の外に求めねばならない.

 フィクションである「あまちゃん」によって予言された,そのアマテラス的「光」を,人の外に見出すことのできた人々は,その光を浴びながら,今度は,「祝祭の視聴者」から「祝祭への参加者」に変貌し,その聖なる光を自分の内部に宿すであろう.そしてその光は,永久に消えることはない.

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